コラム
2022年2月12日
直会(なおらい)
神さまに供えた食べものを、あとでみんなで分け合うのが、直会。見えない存在と食事をともにするならわしで、お盆や収穫祭など、祭礼を行ったあとに供えものをいただくことだけれど、正月に食べる雑煮にも、じつはこの直会の意味がある。方言で雑煮のことをナオライ、ノーレイなどと呼ぶところもある。
そもそも新年の餅は、年神さまの依り代(神さまが宿るところ)だと考えられてきた。鏡餅などは、まさにお供えもの。そんな神さまのエネルギーが詰まった餅をいただくのが雑煮なわけで、単なるおせちの脇役でもなければ、手早く済ませたいときの正月の昼ごはんでもない。年神さまと深く結びついた、新年のいちばん大事な食事だ。雑煮は直会。