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コラム
2022年8月29日

音楽を楽しむこと

私が小学生だった頃、趣味という欄があれば「音楽を楽しむこと」と書いてあったのをふと、思い出しました。

幼い頃からどんな音が身近にあり、楽しんで来たのかといいますと、サクソフォーンやクラリネットなど様々な管楽器や弦楽器、ピアノ、歌声などで、聴いたり、演奏したりとその響きに惹かれ、触れてきました。

さて、しかしそんな楽器の音とはまた別に魅力を感じた音の体験を、今回はお話させて頂きたいと思います。

まず一つ目は、お鍋やフライパンなど台所の道具を集めて太鼓に見立て、菜箸で叩いた小学生の頃の体験です。太鼓を見たことはあったものの、鳴らしたことがなく、叩いて音を鳴らしてみたいという好奇心でいっぱいだったのだと思います。留守番中に祖父母の目を盗み、<タントントンタントンタン>と音の違いを楽しんで叩いていた記憶があります。

二つ目は、夏休みに友人達と海に行った夜、グラスに氷と飲み物を注ぎ、マドラーでかき混ぜた時の体験です。かき混ぜた瞬間…カラコロカラコロ…「めっちゃいい音がする!」といい響きをみつけたので嬉しく夢中になり、飲み物を飲みつつ量を調節して音階を作り、何かメロディを奏で、皆で大笑いをしながら楽しんだ記憶があります。

三つ目は、ある日の雨音です。雨が降り始め、耳を澄ますと、屋根からの雫が下に落ち、当たるものによって音程が変わり、落ちるタイミングによってリズムが生まれるのがなんとも面白い音楽になるのです。コン…コンカン..ココカン..心の中でクスッと楽しくなったことを思い出します。

なぜそんなに楽しかったのだろう?、と今考えてみると、立派な音楽や楽器でなくても、音の響きやリズムそのものに魅力があり、発見や試みに楽しさがあったからなのではないかと思います。

暑い最中、外へ出て遊べない日には、お子さんと音遊びをしてみませんか?お菓子の缶や空き箱、段ボール、バケツなどが太鼓になり、ヤクルトの入れ物やペットボトルの中に、お米や豆、ビーズなどを入れるとマラカスになります。音を鳴らすことを純粋に楽しんだり、歌や音楽に合わせて鳴らしたり、作る過程を楽しんだりと、お子さんとの夏の楽しいひとときになったら嬉しいです。