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コラム
2024年3月11日

「皆さんは何時間くらい睡眠を摂っていますか?」

柳沢正史さんをご存じの方も多いと思いますが、脳内物質「オレキシン」を発見し、不眠症の治療薬開発や睡眠のメカニズム解明に大きく貢献されている方です。昨年、自然科学における国際的な学術賞「ブレークスルー賞」生命科学部門を受賞されました。その方が「眠りは非常に大切だ」というお話をされていましたので、今更ですが少しだけご紹介をさせて頂きたいと思います。

現代社会では照明が発明されてからは世界平均で1時間くらい睡眠時間が短くなっていて寝不足らしいです。中でも日本人はまれにみる睡眠負債を抱えた民族で睡眠不足が何年、何十年と続いているのだと、すなわち「国民総睡眠不足」なのだそうです。

そこで良い睡眠とはどんなものなのか、3項目に分けてお話されました。

■量―個人差はあるが7時間前後、ショートスリーパーは自分では足りていると思っていても実際は寝不足な人が多く、慢性的に睡眠負債に陥り、物事がネガティブに働いていくことが研究で証明されていて、脳のパフォーマンスが即座に落ちるそうです。

そして驚きなのが、睡眠不足になると利他的な行為が出来なくなる、つまりイヤーな奴になり、感情のコントロールもしづらくなり、ろくな事がないと。それに加えてメンタルの不調のリスクが上がり、メタボリック症候群、認知症、癌、感染症、疾患のリスクが上がるなどという、これらにはしっかりとエビデンスがあるそうなのです。

■規則性―朝型夜型は体質だけど、小学生は平均朝型で、10代~30代は夜型、40代以降は再び朝型になる。起きる時間、寝る時間の分散で循環器系の疾患リスクが増し、女性では乳がんのリスクが上がるそう。熊本のある高校で昼食後に「うとうとタイム」を摂ったら調子が良くなったというデータがあるほど。(昼寝はきちんと寝姿勢を取る、長くて20分以内、ぐっすり眠ってしまうと逆効果、遅くても午後2時くらいまでの昼寝においてはパワーアップの効果がある。)しかしながら、もとはと言えば昼間の眠気は異常らしいです。

■質―悪くなるNG行動として、①ニコチン摂取②夕方以降のカフェインの摂取③寝酒④明るい部屋・音のする部屋⑤真夏や真冬にエアコンを切って寝る(一定に保つのが良い)⑥家族やパートナーと同じ寝具で寝る⑦電車の中で寝る。

寝る子は育つは本当、成長ホルモンが深睡眠中に最も分泌される。小学生の推奨睡眠時間は平均10時間で高校生は8時間半。成長期の睡眠は非常に重要で子どもの時に寝不足だと一生ハンデを背負って生きていく可能性もあるらしいです。十分な睡眠は大人にとっても筋肉や皮膚の調子を整えて老化予防や、肥満予防にもなるそうです。

柳沢さんの睡眠のお話はいかがだったでしょうか、感じ方は人それぞれです、たかが睡眠、されど睡眠ですね。